私がまだ中学生だったころ、こんな話を聞きました。
音楽というものがこの世に誕生したのは、バッハやモーツアルトなどよりずっと前、グレゴリオ聖歌よりももっと前、人が生きるため・食べるために必要な農作物を大地から得るため、人々は天を仰ぎ、大空に向かってお祈り(雨乞い?)をした。その時に皆の声が一つの強い力となって天空に届くようにと、誰かがリズムを刻みはじめ、人々はそれに呼吸を合わせた。声の調子までそろう様にと、互いの声を聞き合いながら祈りの言葉を口にして歌ったのが音楽の起源だと・・・。
つまり、音楽の始まりは祈りであり、祈りとは人がその心に強く感じ願う気持ちの表現であり、時に一人で、時には人と心を合わせ、幸福や平穏、生命力を得る為におこなう行為である、ということです。
そしてまた同時に、音楽がコミュニケーションであるという事も物語っています。
その後、人々はその心を表す行為としての音楽に、人が感じる「喜怒哀楽」のそれぞれを、その表現の美しさで追求することにいそしみ、またその音楽に触れた者も、それを心や体で深く感じ取り、その美しさに感動することで美的センス・美的価値観を磨き、自身の幸福に反映させるという知的な進化を遂げて来た様に思います。
ミュージックスクール ムジカホリック においてもこれに習い、古代から続く音楽という芸術の領域に常に敬意をはらい、自己の向上や幸福の追求の為の音楽修練の場であることを目的とし、知的進化するための音学(音を学ぶ)と元来の祈りの表現としての音楽(音を楽しむ)の両面を認識し、そのバランス感覚を養うこともまた大切にしたいと考えています。
さらに音楽がコミュニケーションであるということも非常に大切ですから、まずは「礼に始まり、礼に終わる」レッスンを実践することからスタートしています。
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